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おいしく!楽しく!食べて、心と体に栄養を!! 〜がんと闘う気力・体力を保つ〜 茨城県立中央病院栄養科 管理栄養士 田中 智子 人は食べることで生命を、健やかな暮らしを維持することができるという事を、もう一度見直してみ ましょう。 がんを抑え、がんと共存するには何より、その人が体力を保ち続けなければなりません。その為には 食べるという事が基本になります。食べることは、その人の自信や希望につながっていくと思います。 口からものを食べることで全身の機能は働き、活性化します。口やあごを動かさないと、嚥下や咀嚼の ための筋肉が衰え、更には体の機能が低下してしまいます。身体機能だけでなく、生きる意欲も落ちて しまいます。どんな病気に対しても口から食べて体力と気力を養っておく、このことが重要なのではな いでしょうか。笑いが免疫力を高めるという話も聞きます。笑顔でいると楽しい気持ちになるし、楽し い気持ちだと笑顔がこぼれます。おいしく食べることや楽しく食べることで、気持も楽しく前向きにな れるのではないでしょうか。 がんの再発予防のために、これを食べれば大丈夫というものは残念ながらありませんが、人間という 動物に適した食生活をするという事が大切だと言われています。それは、脂肪の多いものを避け、野菜 をしっかり食べ、肉や魚・卵・大豆製品やご飯を食べ、体を良く動かすことです。何か一つを食べれば よいというものでなく、バランスがとれた食生活が大切なのです。 とはいえ、がん体験者が食事で出来ることは何かないのかと思いますね。2007 年に世界がん研究基金 から「がん予防のための推奨」(P.2)が出されており、その10 番目の項目「特別な集団への推奨2」は がん体験者へのアドバイスです。内容は健康な人のがん予防として推奨されていることにならうことで す。参考になさってみてはいかがでしょうか。 発行 茨城よろこびの会 http://www.ibasouken.org/yorokobi.html 平成24 年10 月1 日発行 1 バランスの良い食事