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vol74   5 / 6

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腎盂がん手術から5 年経過して 会員 柚木 賢三 第59 号に手記を載せて、三年半が経ちました。幸い転移も無く、普通の生活をしていますが、自律神 経失調症、老人性うつ病などいろいろな症状のいくつかが常時あらわれて体調がすぐれず、陰鬱な日々 を送っています。会の皆さんの中には、手術前、手術後、現在も大変な苦しみにあっても、なお懸命に 闘病生活を送られている方が沢山おられることを思うと、自分の弱さがほとほと情けなく、つい哲学の 本に逃げこみます。 前回も一寸ふれましたが、故池田 晶子女史の、持論は難解ですが、唯一死の恐怖を超越 していることはほぼ間違いなく、ただこの一点で愛読者になっています。図書館に沢山 の著書がありますが、面白いですよ。是非皆さんも読んでみて下さい。 また、曽野 綾子さんの本もいいですね。「運命をたのしむ」なんと壮大な言葉で しょう。殆どが「人生訓」ですが、書かれている内容は、我々病後のメンタルヘル スに、大変参考になると思います。これも図書館に沢山の蔵書があります。 連日ニュースや新聞で報道されている殺人、自殺、事故、地震の恐怖、日本を取り巻く諸外国の圧力、 膨大な国の借金・・・いやはや大変な世相です。健常者は勿論、我々病後の患者も、懸命に生き続けな ければなりません。 この手記が掲載される74 号の頃は晩秋だと思いますが、いまは酷暑です。どうかみなさん御自愛を。 75 才、天然クーラーの6 帖間にて。 石巻の被災地を訪ねて 会員 黒沢 明実 7 月末、いつか行きいと思っていた宮城県石巻市を大学(社会人対象)の公開講座にて、訪ねることが できました。 往復10 時間の日帰りバス旅のため、支援らしきことは何も出来ず見学のみでした。それでも、現地の 空気に触れて、初めて分かることもあるのではないかと思いました。 見学先は、ガレキの処理場、仮設住宅、(集会場)、草丈の伸びた団地跡、大川小学校。大川小学校は、 モダンな建物の外観はそのままでも、中は怖いような暗く大きな空洞。そして目の前は小高い山。この 山に生徒達を誘導出来たら、児童(生徒)達は無事だったはず!しかし、波の高さを誰が予想できたで しょう・・・。参加者の元教師の方達も「自分にそれ(誘導)が出来たかどうか自信はない」と話して いました。 メディアを通してではなく、自分の目で見、この光景を心にしっかりと刻み込み目に焼きつけて帰り たい。「何か復興の役に立てれば・・・」と誰もが心に思っているはずです。高齢者には何が出来るのか? 今日をスタートに考え、これからの生き方に繋げていけたらと思います。そして、ずっと 忘れないでいること。「力仕事」は出来ないけれど、草1本を引く様な気持ちで、又機会 があれば被災地を訪れたいと思います。 街路にボランティアによって整然と植えられた“ひまわり”が開花を今かと待ってお りました。それを見て、自分がこれまで復興に対して、何も行動をして来なかったこと を改めて思い、恥しいことしきりでした。 会員の小林みよしご夫妻も参加されておりました。小林さんお疲れさまでした。 5