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vol78   5 / 8

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載っていた「がん」についての座談会のお知らせでした(昭和59 年8 月5 日新いばらき新聞に茨城よろ こびの会座談会が掲載された)私は、大腸がん「S状結腸がん」と胃がんを罹患。腸の方は25 センチ切 除したためかイレウス(※)が頻繁に起き、何回か救急車で入院しました。 よろこびの会では、観桜会や長塚節の生家を見学したり、月に一度の短歌の集い、またお茶会で近況 を語ったり、全国大会もありました。会長さんからの依頼で守谷や、常陸太田市の「パルティホール」 でがん体験談の発表もいたしました。義父の介護の際には、会の方々には精神的に大変助けられました。 平成21 年、会長さんが入院された時には自筆のお便りを頂き、若い頃読んだ「風立ちぬ」「野菊の墓」 などを読んで腎臓透析の辛さを耐えている事などが書かれていました。その後、パソコンで、お庭の花 の美しさ、月下美人の開花のお便りをくださいましたが、平成25 年になってから珍しく弱気な事が書い てありご自分の宿命を達観されていたように、また、遺書のようにも私には思われました。己を顧みる ことを後回しにして、崇高なご生涯を立派に終えられ旅立たれた会長さん、私はその博識と向上心、清 澄なお人柄を尊敬しておりました。 何よりも奥様がお力落しでいらっしゃることでしょう、お通夜にお参りし、会長さんのお顔を拝見し 「ごゆっくりお休み下さい」と申し上げました。 ※イレウス・・・食べ物や消化液が小腸や大腸に滞った状態で、腸閉塞、吐き気、嘔吐を伴う腹痛が現れる。 ノルウェーのクリスマス(滞在記2) 会員 谷田部 昌子 11 月になると日暮れが早くなります。クリスマスが間近になり、街の中央広場には10m 以上もあ る大きなモミの木が立てられ、何万個もの豆電球が取り付けられます。お店にはクリスマスカードが 並び、プレゼント用の品が豊富になり、一年中で一番忙しくまた楽しい時期でもあり、クリスマスの 気分が盛り上がります。 12 月に入ると家々のお母さん達はクリスマス用のクッキー作りに大忙しです。色々な材料を使い沢 山焼きますが、とても綺麗で美味しく、それぞれの家庭の味を楽しむことができます。子供達が栗の 束を抱えて一軒、一軒売りに来るのでそれを買って、家のベランダやフェンスに結び付け、小鳥にク リスマスプレゼントをあげるのです。なんと優しい行為でしょうか。人間だけがクリスマスを楽しむ のではなく、寒さをこらえている小鳥達へも愛のプレゼントです。ノルウェーのクリスマスは実に静 かで、街の中の人通りは少なくひっそりとして、粉雪が舞い何とも素敵な情景でした。 冬の長いノルウェーでは、女性が冬の仕事として昔から編み物が盛んで、 雪模様のセーター、トナカイ柄が入ったカーディガンや色とりどりの毛糸 を使った編み込み模様など実に素晴らしいのです。 雪の少ないヤーレン地方でも、時には雪が降り積もります。車で20 分 も内陸に入ると小学校にジャンプ台が設置されています。ノルウェーはス キーの発祥国で、オスロの山の上には、スキー国際大会使われるラージヒ ル・ホルメンコーレンジャンプ台がオスロフィヨルドを見下ろして立って います(写真右)。私もこのジャンプ台を見学し、一番上まで登ったこと がありますが、目がくらむ程の高さに足がすくみ、背筋がゾッとしたのを 覚えています。しかし、そこから見下ろすフィヨルドやオスロの街は素晴 らしく、今でもはっきりと心に残っています。 5 ジャンプ台