その他のがん検診
腹部超音波検診
超音波は人間の耳には音として聞こえない高い周波数の音波です。腹部超音波検診は,この超音波の反射を利用して腹部臓器の断面の様子だけでなく,動きもそのまま画像として観察できる検査です。
検診で見つかる病気
がんをはじめ臓器の肥大や萎縮,結石の有無等もわかります。
● 検査対象の臓器
検査の特徴
- 検査による人体への影響や苦痛がなく,とても安全です。
- 1回の検査で複数の臓器の検査が可能です。
- 腫瘍などの有無だけでなく,その大きさや形状も調べることができます。
- 数ミリ単位の小さな病変も観察可能です。
検査の受け方
上半身の衣服を脱ぎ,腹部を十分に広く出すため,ズボンやスカートは腰骨位まで下げ,ベッドにあお向けになります。 | |
最初に超音波の伝わりをよくするために,腹部にゼリーを塗ります。それからプローブ(超音波を出す装置)を腹部に押しあてて,腹部内の臓器の様子をモニターテレビで観察しながら検査します。 | |
検査中は必要に応じ,呼吸の調節をしたり,体の向きを変えていただきます。 |
受診の際のご注意
1. 検診前夜
- 検診受付時間の10時間前までに食事を摂り、それ以降の食事はしないでください。
- 服薬や熱中症予防のための飲水は、検診受付時間の2時間前までであれば、差し支えありません(コップ1杯程度)。
2. 検診当日
- 起床後は,検診が終了するまで飲食(飴,ガム,コーヒーなどを含む)はしないでください。
ご注意ください!飲食をされた場合,検査は受けられません。
なお,常用しているお薬の服用については,次の表を参考にしてください。
薬の種類 | 当日の服用 | 服用方法 |
---|---|---|
糖尿病薬 (血糖降下剤,インスリン) |
× | 絶対に飲まないでください。 (低血糖発作の危険があります) |
その他の常用薬 (血圧・心臓の薬など) |
〇 | コップ1杯(200ml)程度の水で服用してください。(血圧・心臓の薬は原則として服用してください) |
3. その他
- 女性の方はバスタオルを胸にかけますのでご持参ください。
- 同日に胃がん検診を受診される方は,腹部超音波検診を先に受診してください(バリウムの影響のため,検診ができなくなります)。
つぎに該当する方は,直接医療機関での検査をおすすめします。
- 現在,肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓の病気を治療中または経過観察中の方
- 自覚症状がある方
- 毎回精密検査を指示される方
検診結果について
- 「要精密検査」の通知を受けた方は必ず精密検査を受けてください。
- 検診ですべての異常が発見できるわけではありません。発生する部位や大きさにより発見できない場合もあります。気になる症状や不安なことがありましたら,医療機関にご相談ください。
- 消化管内のガス,皮下脂肪,内臓脂肪あるいは息止めができないなどの理由で見えにくい臓器があった場合は,“十分に検査できなかった臓器”として臓器名をお知らせしています。
- 他の検査(MRI,CTなど)でなければ判断することができない場合もあります。
前立腺がん検診
前立腺がんは50歳以上で著しく増加する男性特有のがんです。高齢化,生活の欧米化とともに,日本では急増しています。50歳を過ぎたら1年に一度受けることが推奨されています。
検診で見つかる病気
検査方法
● 特定健診などと同時に受けることが可能です
血液中にある前立腺特異抗原(PSA ピー・エス・エー)と呼ばれる腫瘍マーカーの数値を測定する検査です。特定健診などと同時に受けることが可能で,追加で採血することもなく簡単に受けることができます。
PSA値の考え方
PSAの値は,前立腺がんのほか,前立腺肥大症や前立腺炎などでも上昇することがあるため,基準値以上の値になった場合は,前立腺がんかどうか確定するために専門の精密検査医療機関(泌尿器科)を受診していただきます。
当協会検診への取り組みについて