現在のページ:
ホーム
> 健康診断結果の見方
> 心電図検査の所見解説

健康診断結果の見方健康診断結果の見方一覧へ

心電図検査の所見解説

心臓の仕組み

心臓の動きは,微量の電気が以下の経路で伝わることにより起こります。

図の見方
1
心臓の電気発生源は右房にある「洞結節(どうけっせつ)」です。
2
心房と心室の境目には,電気信号の「中継駅」として働く「房室結節」があります。
3
房室結節からでた1 本の「電線」(ヒス束(そく))は心室で2 本に分かれます。
4
このうち,左室に向かう「電線」を「左脚(さきゃく)」右室に向かう「電線」を「右脚(うきゃく)」といいます。
5
左脚と右脚のそれぞれからは更に細かく枝分かれした「プルキンエ線維」いう「電線」が出ています。

 主な所見内容

所見名 所見解説
洞性頻脈 洞結節からの刺激が1分間に100回以上のリズムを示す場合をいいます。生理的な場合と病的な場合があります。
(精神的緊張時,発熱時,甲状腺機能亢進症,貧血など)
洞性徐脈 洞結節からの刺激が1分間に50~60回未満のリズムを示す場合をいいます。生理的な場合と病的な場合があります。
(スポーツ心臓,甲状腺機能低下症,洞結節の変性,薬物中毒など)
右脚ブロック 右側の分岐である右脚に障害がある状態です。
心電図所見のなかでは比較的多くみられ,右脚ブロックのみでは治療対象にならない場合も多いですが,何らかの基礎疾患があるか否かを確認する必要があります。
左脚ブロック 左側の分岐である左脚に障害がある状態です。
何らかの重要な基礎疾患があることが多く原因を確認する必要があります。
上室性期外収縮 心臓上部(ヒス束より上部)から余分な電気が発生して心臓を刺激する場合をいいます。緊張,興奮,ストレスなどで起こることもあります。
心室性期外収縮 通常は右心房から電気発生しますが,下部にある心室部位から通常のリズムより早い刺激が出る場合をいいます。少数の単発は正常な方にも見られますが,出現頻度などによっては治療が必要となることがあります。
心室頻拍 心室部位から連続的,高頻度に出現する場合をいいます。精密検査および治療が必要です。
心房細動 心房があちこちで不規則かつ高頻度に興奮し,その刺激が不規則に心室に伝導されている状態です。他の基礎心疾患を伴うか否かを含めて精密検査が必要となります。
心房細動は心不全の原因となったり,心房内での血液滞留により血栓が生じ,血流で流され脳などに梗塞(塞栓)などの重篤な疾患を起こしやすい不整脈です。
WPW症候群 房室結節およびヒス束を迂回する余分な電気ルート(副伝導路)があり,電気信号がそこを流れます。この症候群では,副伝導路と正常伝導路で形成される回路を刺激が回旋して頻拍発作を起こしたり,心房からの過剰な刺激で極端に早い心拍数を生じやすく,その場合治療が必要です。
R波減高 心電図の波形で,R波の高さが正常に認められない状態です。心筋梗塞や肺気腫などで見られます。
ST異常 心電図の波形のST部分が,心筋の障害などにより上昇したり下降したりします。
異常T波 T波は,通常ほとんどの誘導で上向きの穏やかな波ですが,虚血状態や他の原因により,変形したり逆向き(陰性)になったり極端に増高したりします。
異常Q波 心筋梗塞などの際に見られる波形ですが,必ずしも心筋梗塞を示すものではありません。
QT延長 遺伝性及び薬物性などの原因でQTの延長が見られます。重篤な心室性不整脈の発生要因となりやすく,精密検査が必要です。
房室ブロック  第1 度房室ブロック
心房から心室への電気信号の流れに正常より時間がかかることをいいます。
 第2 度房室ブロック
心房から心室への電気信号が時々途絶えることをいいます。ウエンケバッハ型とモビッツ型Ⅱ型の2種類があります。
 高度房室ブロック
心房からの刺激が心室に伝導する房室伝導比が2:1 以下の場合をいいます。
 第3 度(完全)房室ブロック
心房の刺激が心室にまったく伝導されないものをいい,人工ペースメーカーが必要となる病態です。
低電位 心電図の波の高さが正常値に届かないことを示しています。心膜炎や肺気腫などに見られます。
陰性U波 高血圧,心筋虚血などを反映しており,基礎疾患の精査,治療を検討する必要があります。